
東南アジアのスタートアップ向けベンチャーデットの本格始動について
株式会社北國フィナンシャルホールディングス(代表取締役社長:杖村 修司)グループのCC Innovation Singapore Pte.Ltd.(Managing director:川倫明、以下「CCIS」、シンガポール)は、シンガポールで長時間エネルギー貯蔵(LDES)ソリューションを開発・展開するVFlow Tech Pte. Ltd.(CEO:Avishek Kumar)及び、インドネシアで非効率的なエビ養殖現場をサステナブルな産業へと変革することを目指すJala Tech Pte. Ltd.(CEO:Liris Maduningtyas)に対して、ベンチャーデットを実施しましたので、お知らせいたします。本件は、CCISが東南アジアのスタートアップに融資を行う初のケースとなります。
今回の融資を皮切りに、CCISは東南アジアにおけるベンチャーデット市場の拡大に積極的に取り組み、スタートアップに対して柔軟かつ効果的な資金調達の選択肢を提供してまいります。
東南アジアでのベンチャーデットの現状
東南アジアは急速に成長するテクノロジーとイノベーションの中心地として注目されており、近年ではスタートアップの数や資金調達の総額が大幅に増加しています。一方で、資金調達手段としてエクイティに依存する傾向が強く、米国や日本のように自社株式を希薄化させずに資金を調達する方法が模索されています。特にハードウェア開発など多額の資金を必要とするディープテックベンチャーにおいては、エクイティの希薄化を抑えつつ迅速な成長を支援する手段としてベンチャーデットが注目されています。
しかし、東南アジアのスタートアップに融資を行う貸し手は十分に存在していないのが現状です。CCISは、ベンチャーデットの提供を通じて、東南アジアにおけるスタートアップの資金調達環境を多様化し、リスクを適切に管理しながら各社の事業成長や日本進出を支援します。この新しい資金調達方法により、スタートアップは外部資本の負担を最小限に抑えつつ、次のマイルストーンの達成へと事業を推進することが可能になります。
CCIS初のベンチャーデットについて
この度、CCISは東南アジアを代表する以下2社のスタートアップに初のベンチャーデットを実施しました。両社ともに、北國銀行グループが出資したUntroD Capital Asia Pte Ltd(Director:丸幸弘、以下「UCA」、シンガポール)の出資先スタートアップであり、事業成長性を見込めるスタートアップとして高く評価しています。

1. VFlow Tech Pte. Ltd.について
VFlow Techは高効率なバナジウムレドックスフロー蓄電池(VRFB)を開発・販売するシンガポールのスタートアップです。独自の流路設計と添加物の配合メソッドにより、競合より10%程度高効率なVRFBを開発しており、可燃性物質の不使用による高い安全性の確保、電解液の経年劣化がないため長期間の使用が可能です。今回のベンチャーデットを通じて、エクイティの希薄化を抑えながら、長期的な成長を支えるための資金を融資いたしました。

VFlowTechの開発する長寿命、高効率、小型VRFB
2. Jala Tech Pte.Ltd.について
Jala Techはエビ養殖産業の課題解決に特化したマーケットプレイスと養殖管理用ソリューションを提供するインドネシア発スタートアップです。養殖池の水質を的確に検知するデバイスと取得データを可視化するプラットフォームを開発・提供しています。
さらに、独自のデータベース・AIアルゴリズムを活用したエビの成長・収穫予測、養殖場の異常検知・レコメンド機能を備えており、インドネシア全域の養殖池運営の最適化を支援しています。今回のベンチャーデットを通じて、財務面での安定を保ちながら、新たな成長戦略を実行に移しました。

JALA Techが提供するソリューション
今後も継続的にベンチャーデットによる成長支援体制を拡大
また、グループ会社の北國銀行は、日本の石川県に本店を置く地域金融機関として預金、融資、為替など、総合的なサービスを提供しています。日本の主要都市にも拠点を構え、地域経済の支援と持続可能な発展に尽力しています。今後、東南アジアの新興企業エコシステムを積極的に支援すべく、CCISを通じて従来の銀行業務の幅を広げています。
CCISは革新的な金融およびコンサルティング・ソリューションの提供を専門としており、地域の発展とグローバルなビジネス統合へのコミットメントを強化します。
